シマノのクランク問題の対応で心配なこと

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1.行きつけの販売店の状況

皆さん、こんにちは!チャリダーMです。

シマノのクランク問題。ほかのブログでもかなり取り上げられていますが、自分なりの見解をまとめてみました。

シマノからは以下のとおり、プレスがあります。

お客様への無償点検プログラムに関する重要なお知らせ

2019年6月30日以前に製造されたロードバイク用リア11段変速対応ホローテックII(中空)クランクにつきまして、対象製品の一部において接着された箇所が剥がれ、隙間や段差が発生する可能性がございます。

つきましては、お客様がご使用されている対象製品を無償にて点検させていただき、点検の結果、交換が必要と判断された場合は、無償交換をさせていただきます。交換の必要性が確認されなければ、そのままご使用いただけます。

シマノのHP

なお、本無償点検プログラムの開始は2023年10月30日(月)を予定しており、
点検方法の詳細、および無償点検・交換にご協力いただく販売店様の情報につきましては
2023年10月中旬ごろ改めてご案内をさせていただきます。

シマノのHP

行きつけのお店で話を聞きましたが、シマノ、メーカー(トレックやブリジストンなど)からも正式な説明はまだなく、お客からの問い合わせで知ったとのこと。

店長曰く、お客さんで実際にそのような破損が起きたことはなかったようです。私の貧脚ではまず壊れないとか(余計なお世話…)。

いきなり破損することはない。まずは亀裂から。シマノはちゃんと対応してくれるから大丈夫など。

今のところは、「無償点検プログラム」がどういうものであるかは、今後の発表を待つしかありません。

2.北米での対応

アメリカでの対応は以下のとおりです。日本語に翻訳をクリックしてください。

自主回収:11速保税HOLLOWTECH IIロードクランクセット点検・交換キャンペーン

ステップ1-この通知がクランクセットに適用されるかどうかを判断する

ステップ2-検査のために自転車を小売店に持っていく

ステップ3–安全に乗って、自転車/機器の検査を続けます

シマノのHP

こちらは「リコール」となっていますが、要は、10月1日から販売店に持ち込んで検査。

検査に合格し剥離の兆候がない場合はそのまま使用。

検査に合格しなければ交換。

QAのなかに、サードパーティ製のパワーメーターの対応が記載されています。

第三者によって改造されたクランクおよび/またはシマノ製品は保証の対象外ですが、例外としてこの検査の対象となります。検査中に故障が判明し、シマノに返送されたアイテムは、第三者パワーメーターを取り付けずに無料で交換されます。シマノは、消費者に小切手の形でリベートを提供し、消費者はそれを第三者のパワーメーターの交換に使用できます。

シマノのHP

3.対応についての感想

リコールなのに全部交換するわけではない…。

アメリカでこの対応が通用するのか、ちょっと心配ですね。

自主回収と言いながら、全部の交換はやらないなんて、アメリカ人に通用するのでしょうか。

欧米人はリスクがあるものは交換するのが当たり前と考える傾向があると思います。そのリスクを合理的に判断するのか。

検査時点では問題がなければOKとはいっても、そのあと発生した場合は自己責任でしょ、シマノは重大性がわかってないでしょ、など変な捉え方をされなければよいのですが。

以前から破損や事故も発生していたようですし。

もっと早く、ユーザーに告知すべきではなかったのか、とか。

シマノの技術に問題はない、原因がよくわからなかったなど、会社側の理由はいろいろあると思いますが。

突っ込みどころは、それなりにありそうです。

リスクがあるものを放置すると傷口が拡大するので、本当は該当するクランクをすべて交換するほうがわかりやすいのですが。

ただ全てを交換するのも大変です。ネットで購入したユーザーへの告知をどうするのかとか、悩ましいですね。

いかに真摯にユーザーに対応するかで、企業の体質が問われます。安全と信頼の問題には大金をつぎ込んでも解決しておいたほうが。先送りしないことです。

シマノファンとしては、トップシェアを誇る日本企業の傲慢さ、対応の遅さなど、最近の不祥事を起こす企業と同じようにはなってほしくないです。

国内の対応もおそらくは、北米同様、販売店がチェックして必要と判断されれば交換対応ということになるのでしょう。

販売店もリスクを背負うことになるので大変です。ちゃんと点検しないと、あとで事故が発生したら、販売店が責められる可能性が残ってしまうので。

4.シマノという会社

シマノの連結ベースの財務体質は超優良です。

2022年12月期決算では現預金残高4,304億円、借入金が2億円。実質無借金です。

自己資本比率90%。財務体力は十分。

売上6,289億円、経常利益1,765億円。収益力も高いです。

自転車部品8割、釣り具2割。

自転車8割の内訳は海外78%、国内2%。

国内の市場は大したことありません。

主力マーケットは北米ですから、まずは事故の多い北米でリコールを行ったのでしょう。

そして会社としては、北米での対応を間違えないことが最重要です。

アメリカにはスラムがあります。

お得意の日本たたきにならなければよいのですが。

シマノは自転車と釣り好きな社員が多く、結構おおらかな社風と聞いています。

クレーム対応も割と緩いところがあるとか。緩いというのは基本的にユーザーフレンドリーという意味です。

心配なのは、そういう会社に限って、クレームがあったら気持ちよく交換すればいいやと考えていたら、逆に痛い目にあうかもしれないということ。

シマノの技術部門とオーナー経営の感覚がずれていなければいいのですが。

5.サードパーティの対応

4iiiiも今後の対策を発表しています。

シマノの安全上の注意

一部引用させていただきます。

リコールされたクランクには4IIIIパワーメーターが付いていますが、今はどうしますか?

クランクに4iiiiパワーメーターがあり、それがリコールに含まれているかどうか疑問に思っている場合は、シマノのガイドラインに従って、(1)クランクの生産コードがシマノのリコールリストと一致することを確認し、(2)参加しているシマノ正規販売店にクランクを検査してもらう必要があります。クランクがリコールの一部であり、シマノ正規販売店によって検査され、故障したと見なされた場合、シマノは交換用クランクセットとパワーメーターの価値のリベートを提供します。その後、Shimanoが提供するパワーメーターのリベートを使用して、新しい4iiiiパワーメーターを注文できます。

交換用クランクの工場での取り付けにはどのくらい時間がかかりますか?

4iiiiは、左側のPRECISION 3+またはデュアルPRECISION PROモデルの工場設置を迅速に開始できることに誇りを持っており、通常、クランクを受け取ってから完了するまでに<>週間もかかりません。このリコールの影響を受ける乗客の数はかなり少ないはずなので、このプロセスを管理する際に待ち時間が増えることは予想していません。

ステージパワーはこちら。

シマノホロウテックII ロードクランク自主回収のお知らせ

ステージパワーメーター付きのクランクセットが影響を受け、Shimanoから交換用のクランクが送られてきた場合、どうすればよいですか?

Stagesにご連絡いただければ、Shimanoの交換用クランクを使用した新しいStagesパワーメーターのファクトリーインストールプロセスでお客様と協力しています。ファクトリーインストールプロセスが利用できない市場では、地元のパートナーまたはディーラーと協力して、すべてのライダーがステージパワーメーターを交換するオプションを利用できるようにします。工場でのインストールプロセスは、市場の場所に応じて2〜4週間です。

サードパーティ側も対応が大変ですね。

6.マイクランクはどうなるのか

私はロードバイク2台所有していますが、今乗っているエモンダSL6のクランクが該当してしまいました。

右クランクはFC8000、RB。

先日交換した4iiiiの左クランクは、TEで対象外。

さてさて、どうなるのでしょうね。

右クランクは異常がなければ、そのまま(見た目からは問題なし)。

もし異常があった場合は代替クランクに交換。

先ほどの4iiiiのプレスをみる限りは、当然正常なクランクのパワーメーターの交換はないので、右クランクの交換が発生した場合は、左右がちんばになりそうです…。

それもどうなんでしょ。

7.リコールについて

クルマではリコールという言葉をよく聞きます。実際にマイカーのリーフが先日リコールがありパーツの交換を受けたばかり。

気になったので、リコール、基準で検索してみました。

消費者庁にリコールのサイトがあります。

リコールサイト

カテゴリーを車両・乗り物、キーワードに自転車を入れると、自転車関連のリコールが一覧できます。

本件は出ていませんが、シマノ関連では2023年4月にステムの交換/返金があります。

リコール対応はやっているのですね。本件がこのサイトに乗るのかどうかはよくわからないのですが。

経産省にもサイトがあります。

リコール情報

リコールの基準がどういうものであるかを開設したサイトもあります。

【経産省の情報を基に解説】リコール実施を判断するための3つの基準

【基準①】事故の原因が製品の欠陥によるものか

【基準②】人への被害があるか

【基準③】多発・拡大する可能性があるか

ヤフー記事によると、本件は、76万件のリコールについて、事故4,519件(0.59%)、負傷6件(0.00079%)となっていました。

この記事によると、0.59%は頻発のカテゴリーに入るので、人に対する危害が軽微でもリコールを行う必要があると判断となっています。

本件の場合、【基準①】の理由がよくわからないですね。

もともと性能を追い求めすぎて中空にしたこと、高温多湿の製造・保管環境による欠陥?に、乗り手の体重・パワー・使用頻度などが重なって起きてしまうのか?

プロレーサーなんかやばいのではないかなど、いろいろ考えてしまいますね。

8.まとめ

この件については、いろんな方がブログやXで意見を述べられています。

破損する発生率が0.59%あれば、結構なもんだと思います。

乗り手の体重やパワー、クランクの状態にもよるので、同じ人が単純に200回乗ったら1回ということではありませんけど。

楽観的なイメージはやめたほうがいいですね。もちろん過剰に反応することもありませんが、リスクがあることを認識しておくことが大切です。

シマノでは「点検の準備が整い次第あらためて詳細な情報をご案内」となっていますので、まずは待つしかありません。

ただアメリカと日本で対応が違うことは考えられないので、アメリカ同様の対応が予想されます。

まずは、亀裂が入ってないかどうか自己点検を行ったほうがよいですね。

該当する方は、シマノの対策が正式に発表されてから、まずは販売店できちっと対応してもらうべきと考えます。

自分のは大丈夫だとは絶対思わずに、販売店に持ち込み、取り敢えずの安全性を確認しましょう。

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